大相撲の横綱審議委員会(横審)が26日、両国国技館であり、春場所千秋楽結びの一番と優勝決定戦が注文相撲で決まったことを委員全員が問題視した。海老沢勝二新委員長(NHK前会長)は「熱戦を期待していたが残念。ファンの期待を損ねた」と話した。
結びは朝青龍が千代大海に、13勝2敗で並んだ優勝決定戦では白鵬が朝青龍に、いずれも立ち合いの変化による一瞬のはたき込みで決着がついた。白鵬には「横綱相手に何が何でも勝ちたい気持ちだろう」と同情論もあった。朝青龍には「連敗後の13連勝はよくやった」と高い評価がある中で8日目に稀勢の里に対し、勝負決着後にひざげりをしたことも指摘された。
内館牧子委員(脚本家)が師匠の高砂親方に「横綱がけ飛ばしたり、こ息な手を使うのは腹立たしい。どういう教育をしているのか」と詰問する場面も。北の湖理事長が「朝青龍は動きの中で勝機を見出す相撲。勝つことを求められる立場も分かってほしい」と擁護した。
白鵬の夏場所の「綱取り」について海老沢委員長は「千秋楽まで優勝争いを持ち込めば12勝でも推薦したい」と話した。【上鵜瀬浄】
毎日新聞 2007年3月26日 19時59分 (最終更新時間 3月26日 20時37分)