三洋電機は1日、自然放電が少なく、乾電池感覚で使えるニッケル水素充電池「エネループ」を14日に国内発売する、と発表した。同社の再生をかけた「シンク・ガイア」商品の第1弾。電解液などの素材を放電しにくいものに替えて、充電しないまま1年間放置しても85%の容量が残るようにした電池で、価格(2個入り)は単3が1155円、単4が945円。
野中ともよ会長兼CEO(最高経営責任者)は、この日の発表で10分程度の質疑を行う予定だったが、「商品説明が長引いた」(広報ユニット)として質疑に応じず、経営再建問題について何も言及しなかった。
また、三洋は同日、古瀬洋一郎氏が辞任して空席になっていた副社長(執行役員)に、元三井住友銀行常務執行役員でSMFG企業再生債権回収の前田孝一社長(56)が11月1日付で就任する人事を発表した。会長、社長を全般的に補佐する役割で、CFO(最高財務責任者)など特定の担当は当面持たないという。【谷口崇子】