経営再建中の三洋電機の06年3月期の連結最終(当期)赤字が過去最悪の約2300億円に膨らむことが17日明らかになった。9月末の赤字予想は1400億円だったが、業績回復が遅れ、赤字幅が拡大する。経営刷新を図るため、創業家出身の井植敏代表取締役兼取締役会議長(73)、近藤定男副会長(67)、桑野幸徳取締役相談役(64)の社長経験者3人が退任する方向で調整している。
井植代表は86年2月に社長就任、今年6月末に会長職を退き、代表権のある取締役に就いた。近藤副会長は98年から00年、桑野取締役相談役は00年から今年6月まで社長を務めた。
井植代表は後任の会長にニュースキャスター出身の野中ともよ氏(51)を招いたが、野中氏と古瀬洋一郎副社長(今年10月退任)との間で経営路線をめぐる対立が表面化。取引先金融機関などから企業統治の刷新を求める声が上がっていた。【田畑悦郎】