ベルギー戦に向けて練習する本田(右)=内田光撮影
「精神的な余裕が違う。ただその余裕がある状況でも、分は悪いという戦力」。サッカー・ワールドカップ(W杯)で2大会ぶりに決勝トーナメント(T)に進んだ日本代表(世界ランキング61位)は2日(日本時間3日午前3時)、決勝T1回戦でベルギー(同3位)と対戦する。2010年南アフリカ大会で16強を経験しているMF本田圭佑はそのときのチーム状態の違いを語る一方で、優勝候補の一つとの対戦を警戒している。
「監督が言う余力というのは、フィジカル的なものだけじゃないと思う。精神的なところで明らかに違う。それは2010年大会を経験した選手がまだ何人もいることが、ビッグアドバンテージ」。キャンプ地・カザンで6月30日の練習後、2大会ぶりの16強での戦いに向けて本田はそう語った。
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西野朗監督は、同28日の1次リーグH組最終戦のポーランド戦で、それまで2試合同じだった先発11人の顔ぶれを6人替えた。0―1で敗れたが、終盤はボール回しという戦術で不要な失点と警告を防ぎ、同組2位で1次リーグを突破。最終戦ではMF香川真司やMF原口元気をピッチに立たせず、温存に成功した。
余力を残しての決勝T進出。相手は、1次リーグ3試合で4得点を上げたルカク(マンチェスター・ユナイテッド)や優れた技術を備えるE・アザール(チェルシー)を擁するベルギーだ。欧州予選では、10試合で実に43ゴールをたたき出した。
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「近年とにかく力をつけている。今では強豪国というブランドを築いた」と本田。格上に違いないが、「思い切ってやることはできる。それは(2010年W杯決勝T1回戦の)パラグアイ戦でもできた。でも前に進まないといけない。勝つということを実現しないといけない」。それには「一生懸命頑張ることだけではない」という。
W杯3大会連続出場となる32歳は、続けた。「経験値だけで対応できないシチュエーションは起こりえる。そういうときって、とりあえず右も左もわからず、チャレンジなんですけど、人っていうのは。でもそこにただ単のチャレンジでなくて、楽しみながら、遊び心を持ちながら未知のチャレンジが次の試合では求められる」。日本未到の8強へ、思いを巡らしていた。(カザン=堤之剛)