王子製紙による北越製紙の敵対的TOB(株式の公開買い付け)が不成立となったことを受け、北越の三輪正明社長は6日、北越株の8.85%(議決権ベース)を保有する日本製紙との提携交渉が、早ければ今週中にも始まる見通しであることを明らかにした。三輪社長は「実務者レベルで今週か来週にも協議の場を持ちたい」と話した。
具体的には、日本製紙の主力工場である宮城県石巻市の石巻工場と北越の新潟工場でそれぞれOEM(相手先ブランドによる受託生産)などを行う予定だという。
また、北越株の24.44%を保有する筆頭株主の三菱商事について、三輪社長は「長い付き合いなので、すぐにというより、じっくり話し合って決めていきたい」と語った。
日本製紙は、王子のTOBを阻止するために、先月初めに北越株を保有した。王子は日本製紙と三菱商事にほぼ3分の1の北越株を押さえられ、TOB成立を断念した。【小原綾子】
毎日新聞 2006年9月7日