北越製紙の株式取得について会見する日本製紙グループの中村雅知社長=東京都千代田区で3日午後5時2分、森田剛史写す
日本製紙グループ本社の中村雅知社長らは3日、会見し、王子製紙による北越製紙のTOB(株式の公開買い付け)が成功すれば、「著しい不利益を被る」と述べ、王子によるTOBの阻止が北越株取得の狙いであると説明した。会見の一問一答は以下の通り。
--株式の取得方法や投資金額は? 株の買い増しは行うのか。
◆株式市場で買った。7日に(三菱商事を引受先とした)北越製紙の第三者割当増資が完了した時点で、保有比率10%未満を目指しており、それまでは買い増しする。財務面での影響はない。
--(王子による買収を阻止したい北越を助ける)ホワイトナイトのつもりか。
◆そのつもりはないし、10%以上を取得し北越の支配権を得ることも考えていない。北越、三菱商事との緩やかな提携で相乗効果を生み出せると考え、当社の独自の判断で大量取得を決めた。現時点で北越、三菱商事がどう考えているかは分からない。
--経済合理性が低くないか。自社の株主にはどう説明するか。
◆王子のTOBの阻止が目的の一つ。成功してしまうと当社は著しい不利益を被る。何もしない方が、株主への説明ができない。TOBを阻止できればそれだけで十分説明がつくと思っている。
--北越、三菱商事と3社の枠組みで、具体的にどういう相乗効果が得られるのか。
◆考えてはいるが、まだ、北越、三菱と接触する状況でないので、ここでは言えない。ただ、王子はあくまで100%子会社にして統治したい考えだが、当社は緩やかに、互いが納得した上でいろんなことをやっていこうという姿勢。その方がベターだ。
--保有した株を将来、北越や三菱、または、両社の大株主に売却することはあるか。
◆株の保有は、王子のTOBを阻止することが目的で、それ以降どうするかについては現時点では決めていない。ただ(北越などに)引き取ってもらうことを目的に保有はしない。