王子製紙は5日、北越製紙に仕掛けていた敵対的な株式の公開買い付け(TOB)に応募した比率が発行済み株式数の5.26%にとどまり、不成立になったと発表した。8月2日から9月4日までTOBが実施されたが、王子は目標の50%超の北越株取得は困難と判断し、8月29日にTOB成立を断念すると表明したため、機関投資家、個人投資家とも応募が少なく、目標にはるかに及ばなかった。
王子の統合提案に対し、北越は買収防衛策の検討や三菱商事を引受先とする増資を行うなどして対抗。業界2位の日本製紙グループ本社もTOB阻止に動いたほか、北越の創業地で主力工場がある新潟県の地銀など安定株主もTOBに応じず、王子はTOB期間終了前に「敗北宣言」をしていた。【川口雅浩】
毎日新聞 2006年9月5日