【カイロ高橋宗男】イラク連邦議会各派は24日、国内複数県による自治政府の形成を可能とする連邦制実施について、1年半凍結することで合意した。ロイター通信が伝えた。連邦制の実施に反対するイスラム教スンニ派の意向を踏まえ、多数派のシーア派が妥協した形だ。連邦制の実施は宗派対立の炎に油を注ぎかねず、状況の悪化を防ごうとの思惑もある。
連邦議会はこの2週間、シーア派が提出した連邦制実施法案について協議を重ねてきた。シーア派の狙いは、北部3県のクルド人自治政府と同様の自治地域を南部に形成し、南部の石油利権を確保することにある。
これに対し、石油資源に恵まれない西部を基盤とするスンニ派は強く反発してきた。今回の合意は、連邦制実施にかかわる法律は1年半後に施行するというもの。
毎日新聞 2006年9月25日