奈良県明日香村教委は10日、5世紀ごろ朝鮮半島から渡来したと言われる技術者集団「東漢氏(やまとのあやうじ)」の氏寺とされる檜隈寺(ひのくまでら)跡で、7世紀後半~8世紀ごろの金銅仏の右手が見つかったと発表した。専門家は、蘇我氏の下で優れた仏教文化や土木技術の担い手となり、後には律令国家の建設を支えた東漢氏の繁栄を裏付ける発見とみている。
右手は純銅の地に純度の高い金を塗って仕上げられ、長さ2・3センチ、幅1センチ。鋳造後にたがねで指を一本一本削り出した精巧な造作だった。仏像が立像だった場合、体長は25センチ程度になるという。寺の廃絶に伴って廃棄されたらしく、寺講堂跡の田から中世の遺物に交じって出土した。