5日午後の東京外国為替市場で、円相場は上げ幅を縮めている。14時時点は1ドル=117円30~33銭近辺と前日17時時点に比べ23銭の円高・ドル安水準で推移している。12時45分に結果が発表された30年物国債の入札が想定より需要の強さを示すと、その直後から円売り・ドル買いが強まって一時117円44銭近辺まで急速に上げ幅を縮めた。市場では、入札が不調で金利が上昇する(債券価格は下落)との予想から事前に円買い・ドル売りを仕掛けていた投資家が、想定より強い結果を受けて一転、円売り・ドル買いに動いたとの見方が出ている。
政府は5日午後の衆参両院の議院運営委員会理事会で、日銀の宮尾龍蔵審議委員の後任に早稲田大学教授の原田泰氏を充てる人事案を提示した。与党などの賛成多数により国会の同意を得られる見通しだ。外為市場では「(積極的な金融緩和が必要と考える)リフレ派として知られるだけに、日銀の緩和政策が続くとのメッセージは受け取れる。ただ、目先の外為市場では目立った反応はない」(大和証券の石月幸雄為替ストラテジスト)との声が出ている。
円は対ユーロでも上げ幅を縮小。14時時点は1ユーロ=133円16~20銭近辺と前日17時時点比で1円60銭の円高・ユーロ安水準で推移している。ギリシャ債務問題の再燃を受けた円買い・ユーロ売りはやや一服している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕