【ワシントン=矢沢俊樹】全米豚肉生産者協議会(NPPC)で通商交渉を担当するジョルダーノ副会長は6日、日本への米国産豚肉の輸出促進策を話し合う日米2国間協議について「非常に大きな進展があった」と述べた。豚肉関税の将来的な完全撤廃を求める姿勢は変えないとしながらも「日本の交渉姿勢は変わった」と協議の進捗を前向きに評価した。
日本人記者団らとの会見で語った。ジョルダーノ氏は米豚肉業界の渉外責任者として環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関与し、米農産品業界でもとりわけ厳しい対日強硬派として知られる。日米間ではTPP合意に向けて米産豚肉に日本がかける関税を大幅に引き下げる案を軸に最終調整に入っている。
日米協議が「大きく進展」したとの根拠について同氏は「交渉内容はいえない」としたうえで、米豚肉業界が現時点での合意の方向性に一定の容認姿勢をにじませた。
同氏は日本政府側の交渉姿勢を巡り「以前は完全に沈黙を続け交渉進展に関与する意欲が見られなかったが、変化がみられる」と指摘した。一方で「まだ最終案ではない」と述べ、日本が国内豚肉業者保護のため輸入豚肉に高関税をかける「差額関税制度」の撤廃を引き続き迫っていく考えを示した。
一方、同氏はTPPを早期にまとめるため米大統領に強力な通商交渉権限を委任する大統領貿易促進権限(TPA)法案を巡り「法案成立に向けて業界を挙げ全力で議会に協力していく」と語った。