豚肉をはじめとする食品の価格が低下して、ここ4ヶ月の間に、物価には「四段飛び」の様相が出現した。国家統計局が9日に発表したデータによると、今年11月には、全国の消費者物価指数(CPI)が前年同期比0.5%低下し、11年ぶりにマイナスになった。中国新聞網が伝えた。
具体的にみると、食品のうち、豚肉価格が同12.5%低下したほか、鶏卵価格は19.1%、鶏肉価格は17.8%、アヒル肉価格は10.8%、それぞれ低下し、いずれも低下幅が拡大した。野菜価格は8.6%上昇して上昇幅が8.1ポイント縮小し、果物価格は3.6%上昇して上昇幅が3.2ポイント拡大した。
食品以外では、交通・通信価格が同3.9%低下し、このうちガソリン価格が17.9%低下、ディーゼル油価格が19.6%低下した。医療・保健価格は1.5%上昇、教育・文化と娯楽価格は1.0%上昇した。
同局都市社会経済調査司の董莉娟シニア統計家は、「食料品とエネルギーを除いたコアCPIは引き続き安定を維持し、前年同期比0.5%上昇して、上昇幅は5ヶ月連続でこの水準を保った。推計によると、11月のCPI低下幅0.5%のうち、昨年の価格変動の波及効果の影響はほぼゼロで、新たな価格上昇の影響は約マイナス0.5ポイントだった」と指摘した。
以前は豚肉価格が急上昇して、CPIの上昇幅を引き上げていたが、今では豚肉価格が大幅に低下し、豚肉はCPIを上昇から低下へ転換させる「重要プレーヤー」になった。
データをみると、11月には、豚肉価格が同12.5%低下し、低下幅は10月より9.7ポイント拡大し、CPIを約0.60ポイント引き下げた。
董氏は、「11月には各地方・各当局が引き続き『六つの安定』(雇用、金融、貿易、外資、投資、期待の安定)と『六つの保障』(住民雇用、基本的民生、マーケットエンティティ、食糧・エネルギー安全、産業チェーン・サプライチェーン安定、末端の行政運営の保障)の取り組みを持続的に推進するのにともなって、豚肉など民生にとって重要な商品の価格が低下を続けた。豚肉価格は前月比6.5%低下したが、低下幅は0.5ポイント縮小した」と述べた。
農業農村部(省)の全国農産物卸売市場価格情報システムのモニタリングによると、20年11月には、豚肉(国の関連当局に報告されていない白条肉)の卸売価格は1キログラムあたり平均39.43元(1元は約16.0円)となり、前月比7.2%低下し、前年同期比16.3%低下した。
北京の複数のスーパーや食料品市場では、11月は10月に比べ、多くの部位の豚肉価格が小幅に低下し、ミンチ類の大半は1キログラムあたり20元を下回った。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月10日