神奈川県伊勢原市のNPO法人が7日、虐待を受けた子供への児童相談所、警察、検察の聞き取り調査が1カ所で済むようにする施設を同市に開設した。つらい体験を何度も聴取されて子供が心理的負担を感じることを避けるのが目的だ。
NPO法人「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」によると、米国で取り入れられている手法を参考にした国内初の施設という。性的被害の有無などを調べる診察室も設けた。警察や検察の協力がどこまで得られるかが課題で、協力を呼び掛けている。
開設した「子どもの権利擁護センターかながわ」では、子供との面接は専門的な研修を受けたセンター職員が担当する。児童相談所の職員と警察官、検察官は別室のモニターで観察し、面接者に電話で追加質問を指示することができる。
NPO法人の山田不二子理事長(54)は「面接の内容が裁判で証拠として採用されるかなど課題は多いが、実績を積み重ねて乗り越えたい」と話した。〔共同〕