ピーチ・アビエーションは10日、成田空港と新千歳、福岡を結ぶ路線の運航を3月29日に始めると正式に発表した。これまでは他社が飛んでいない路線を新規開拓してきたが、他社が運航する路線に後から参入する戦略に転換。国内の格安航空会社(LCC)のすみ分けは崩れる。これからは互いに攻め込む構図となり、価格競争が進む可能性もある。
成田―新千歳線のピーチの運賃は片道3990円から。ピーチと同じ全日本空輸系のバニラ・エアと日本航空系のジェットスター・ジャパンが既に運航している。国内LCCの3社が同じ路線を運航する初のケース。3月下旬からの運賃はバニラが4990円から、ジェットスターは4190円からとなっている。
成田―福岡線にはジェットスターが運航しており、ピーチの運賃は4790円から。ピーチは関西国際空港、ジェットスターとバニラは成田をそれぞれ拠点としてきた。ピーチは羽田空港からの台湾線も検討しており、首都圏に本格進出する。
ピーチはこれまで、他のLCCが運航していない路線に就航し、固定客を獲得してきた。しかし、LCC各社の路線網が広がる中、競合路線でも参入する方針に転換した。
一方、ジェットスターも第2の拠点として、昨年6月から関空で航空機の夜間駐機を始めた。今月28日には初の国際線を関空―香港線で就航し、ピーチと競合する。年内にはエア・アジアが楽天などと組み、再度日本に参入する方向。LCC同士の競争は激しくなっている。