京都と大阪の青酸化合物による連続殺人事件で、交際相手だった大阪府貝塚市の無職、本田正徳さん(当時71)を殺害したとして殺人罪で追起訴された筧千佐子被告(68)が、青酸化合物について「かつて経営していた工場の出入り業者から入手した」と供述していることが18日、大阪府警への取材で分かった。瓶に入れて保管していたという。
千佐子被告は死別した最初の夫とプリント工場を経営しており、青酸化合物は業者から修正用の薬剤として渡されたとしている。具体的な業者名は挙げておらず、府警も特定できていない。
起訴状によると、千佐子被告は2012年3月9日午後5時前ごろに同市の喫茶店内で本田さんに青酸化合物を服用させて殺害したとされる。本田さんは服用後、バイクで走行中に中毒症状を起こし、搬送先の病院で死亡した。
大阪府警によると、千佐子被告は「喫茶店で本田さんに青酸入りのカプセルを渡した。実際に飲むところも見た」と供述している。
これまでの捜査では堺市にある千佐子被告の別宅マンションから開封済みの空の薬用カプセル十数個やオブラート1箱が押収されている。
本田さんと千佐子被告は10年10月に結婚相談所を通じて知り合った。本田さんの死後、千佐子被告は遺産と保険金で合わせて計約2千万円を手に入れていた。
千佐子被告は既に、夫で京都府向日市の無職、筧勇夫さん(当時75)への殺人罪でも起訴されている。