【キエフ=共同】ウクライナ東部紛争の停戦合意を受け、ウクライナ政府軍と東部の親ロシア派武装勢力が21日夜、初の捕虜交換を行った。ドイツ、フランスが仲介した12日の停戦合意に沿ったもの。欧米メディアが伝えた。
親ロ派が支配するルガンスクから西に約20キロのジョロボク付近でウクライナ軍兵士139人と親ロ派52人が交換された。
親ロ派側は、ウクライナ側に引き渡した兵士は、ドネツク州の要衝デバリツェボをめぐる戦闘で捕虜にしたと説明した。
一方、停戦監視を務める欧州安保協力機構(OSCE)は21日、18日の親ロ派による制圧後、初めてデバリツェボに入り、視察した。前線からの重火器撤去を進めるため、OSCEは重火器の場所などに関する情報が必要だと訴えた。
OSCEは約30分の滞在中に約100回の銃声を確認。町の中には水や食料、医薬品、ガス、電気がなく、建物は砲撃で損壊していたという。赤十字国際委員会が食料や薬、毛布、ろうそくなどを載せた支援トラック5台と同行した。