内蒙古(内モンゴル)自治区包頭市希土ハイテク区が10日に明らかにしたところによると、包頭希土研究院と成都市の某テクノロジー企業が技術譲渡契約を結んだ。中国初の月産800キログラムの希土類ナノ断熱サイズ剤の中間試験生産モデルラインの建設準備を進める。1期の投資額は2000万元(1元は約16.1円)を見込んでいる。科技日報が伝えた。
同社の楊崛社長は「希土類ナノ断熱材量は空洞ガラス、Low-Eガラスを始めとする省エネガラスに続く、今後数年にわたる業界内の最大の見所で、極めて高い市場の将来性と発展の空間を持ち、大きな経済的・社会的効果をもたらす」と述べた。
断熱ガラスコーティング剤の中核技術はこれまで、米国、日本、欧州などの先進国に握られてきた。中国の断熱ガラスコーティング剤は現在も空白のままだ。希土研究院の尹健博士によると、研究チームは希土類の独特な電子構造と理化性能を利用し、100ナノメートル以下の希土類断熱材キログラム級生産技術の開発に成功した。媒質の異なる複数の希土類ナノ断熱材、希土類ナノ断熱パウダーなどを生産した。
希土研究院の上級エンジニアである魯飛氏は「希土類ナノ材料の原理は、希土類ナノ断熱材における希土類ナノ粒子が局在表面プラズモン共鳴効果(LSPR効果)を持ち、さらにテクノロジーの手段により希土類ナノパウダーを均等に各システム内に分散させ、長期的かつ安定的に効果を発揮する希土類ナノ断熱材を形成することだ」と説明した。
希土類ナノ断熱材のガラスコーティングにおける応用の実現に伴い、製品の性能・指標が海外の製品に匹敵し、さらには上回るようになった。技術レベルで追い越しを実現し、中国国内の断熱ガラスコーティング材料の空白を埋め、完全に輸入品に代替できるようになった。
希土類ナノ断熱材は広くEVA、PVB、TPUなどの強化ガラスの中間膜、塗料、プラスチック、シート、ディスプレイ、建築用省エネウィンドウ、自動車フロントガラスなどに使用できる。紫外線と赤外線を効果的にカットし、断熱性、透明性、耐候性が高いといった多くのメリットを持つ。
尹氏は「希土類ナノ断熱材がEVAシート接着剤の中で均等に分散し、希土類ナノ透明断熱膜を生み出す。可視光線の透過率が60−80%の状況下で、赤外線の遮断率は80−90%に、紫外線は99%以上にのぼり、断熱の温度差は8度近くにのぼる」と説明した。
この新材料は現在、3件の商標登録を終えており、全国十数省の百社近くの販売業者と代理店契約を結んでいる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年1月11日