衆院予算委員会の大島理森委員長は26日の理事会で、政治献金問題で辞任した西川公也前農相が顧問を務めた会社のリストを与野党に示した。西川氏が2012年12月に国会議員に復帰した後も顧問料を受け取っていたことが新たに判明。同日の予算委では、下村博文文部科学相に関する政治献金問題も浮上した。野党は27日以降も政治とカネを巡る追及を続ける。
衆院本会議に出席する下村文科相(中、26日午後)
予算委理事会に示された資料によると、西川氏は10年8月から14年8月に、国の補助金を受けた栃木県の木材加工会社から計約950万円の顧問料を受け取った。国会議員が会社役員などに就く場合は国会議員資産公開法が定める「関連会社等報告書」を提出する必要があるが、西川氏は議員に復活した13、14両年の分を提出していなかった。西川氏は26日に同報告書を衆院に届け出た。
この木材加工会社は、西川氏が代表を務める政党支部に献金していた。政治資金規正法は補助金の交付決定を通知されて1年以内の献金を禁じている。野党は西川氏が(1)補助金交付を認識していたか(2)顧問料収入などの所得を適切に申告していたのか――などの説明を本人に求める方針だ。
下村文科相を巡っては、週刊文春の報道などを踏まえて民主、維新両党が26日の衆院予算委で取り上げた。下村氏の支援団体である「博友会」が政治団体の届け出をせずに政治資金を集めていた可能性などを追及した。
下村氏は博友会について「民間有志で構成する懇親のための任意団体だ。具体的な運営に関する事柄は一切承知してない」と疑惑を否定。暴力団との関係の疑われる企業や、外国人が経営する企業から献金を受けていたとの指摘には「そういうことが分かった時点で返金した」と説明した。「週刊誌ネタだけで質問しないでいただきたい」と気色ばむ場面もあった。
民主党の高木義明国会対策委員長は26日の記者会見で「疑惑が深まった。しっかりと追及していく」と強調。維新の党の江田憲司代表は記者会見で西川、下村両氏について「必要があれば安倍晋三首相は衆院政治倫理審査会に出席させるべきだ」と述べた。