【ワシントン=岩本昌子】米連邦準備理事会(FRB)が4日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、総括判断で「米経済活動は1月初めから2月半ばにかけて、大部分の地域と分野で引き続き拡大した」と指摘した。
6地区が前回の報告以降経済は穏やかなペースで拡大と報告した。フィラデルフィア地区とクリーブランド地区では、経済が緩やかに拡大した一方、カンザスシティー地区では、わずかな拡大にとどまった。ダラス地区は、前回報告時と似たペースでの経済成長とした。リッチモンド地区では経済活動が減速した。一方、ボストン地区は厳しい寒波にみまわれたにもかかわらず、経済はある程度上向いていると報告した。
個人消費は大部分の地区で増加し、全体として短期売上見通しは楽観的だった。自動車販売はほとんどの地区で増加し、旅行・観光業もおおむね好調だった。
製造業の活動は、全般的に増加したが、増加の程度は地区ごとや分野ごとに様々だった。
住宅販売は大部分の地区で増加し、住宅価格も上昇した。一方、住宅建築状況は地区ごとに様々で、数地区では厳しい寒波の影響による乱れが生じた。商業用不動産市場はほとんどの地区で横ばいまたは改善した。
金融業の状態は、全地区にわたってほぼ好調だった。融資基準は全般的に前回報告時からほとんど変化がなかった。非金融業への需要は、全体的に見ると穏やかなペースで成長した。
労働市場は全地区にわたって安定または拡大し、幅広い職種で雇用が増えた。数地区で様々な技術・技能について、保有者に強い需要がある一方、人材確保が難しいと報告した。賃金上昇圧力は穏やかなままであり、特定の技術保持者に限られている。物価は大部分の地区で横ばい、またはわずかな上昇にとどまった。