【ソウル=加藤宏一】リッパート駐韓米国大使がソウル市内で襲撃された事件で、韓国警察は6日、殺人未遂や外国使節に対する暴行などの容疑でキム・ギジョン容疑者(54)の逮捕状を請求した。容疑者は1999~2007年に合計7回、北朝鮮に入っており、捜査の結果によっては、国家保安法違反の適用も検討しているという。
6日、ソウル市内のキム・ギジョン容疑者の自宅や事務所の家宅捜索に向かう警察官ら=聯合・共同
警察は同日、ソウルにあるキム容疑者の事務所を家宅捜索し、関係書類などを押収した。キム容疑者は警察の調べに対して単独犯だと供述しているが、左派系団体を運営し、北朝鮮寄りの主張を繰り返しているため、警察は背後勢力の存在など広範囲に調べる方針だ。
国家保安法は北朝鮮と連携した反国家活動などを規制することを目的にした法律で、最近では憲法裁判所から解散命令を受けた左派系政党、統合進歩党の李石基(イ・ソクキ)元議員に懲役9年の判決が出ている。
また、これとは別に朴槿恵(パク・クネ)大統領が06年、遊説中に顔を切られ重傷を負った際には、容疑者に対して殺人未遂の容疑などで懲役15年の判決が出ている。