アサヒビールの「アサヒ ドライゼロ」=共同
アルコール度数ゼロのビール風味飲料を巡り、自社の特許を侵害されたとして、サントリーホールディングス(HD)がアサヒビールに対し、アサヒの主力商品「ドライゼロ」の製造や販売の差し止めを求める訴訟を起こしたことが10日、分かった。
同日午後に東京地裁で第1回弁論が開かれる予定で、アサヒ側は「特許権は無効だ」として全面的に争う方針だ。
サントリーは、糖質やエキス分を一定の範囲内にしたビール風味飲料として2013年10月に取得した特許権を、アサヒのドライゼロが侵害していると主張し、今年1月に提訴した。
一方、アサヒ側は「(サントリーの)特許権は無効と考えており、特許の権利行使は認められないことを裁判を通じて主張していく」とコメントしている。
サントリービールの「オールフリー」=共同
ノンアルコールのビール風味飲料の市場は、ビールの売り上げが縮小傾向にある中で拡大している。糖質やカロリーがゼロという特長があり、ビール代わりに楽しめる飲料として人気が広がっている。シェアはサントリーHD傘下のサントリービールが1位、アサヒが2位。大手2社の訴訟の行方次第では、シェア争いに影響を与える可能性がある。
サントリービールは、カロリーや糖質をゼロにした「オールフリー」などを14年に720万ケース(1ケースは大瓶20本換算)販売。アサヒは「ドライゼロ」などが好調で、14年に630万ケースを販売している。