福島、宮城、岩手の3県警は11日、各県沿岸部で津波による行方不明者の一斉捜索を実施した。行方不明者は10日時点で2500人を超える。捜索隊は手掛かりを見つけようと、隊列を組んで現場を歩いた。
福島県警は約580人態勢で、いわき市や南相馬市、大熊町などの計約10カ所を捜索した。東京電力福島第1原子力発電所事故で全住民に避難指示が出ている浪江町の請戸漁港付近では、町役場の職員や消防団員なども参加。地中レーダーや金属探知機を導入し、車両やがれきが散乱する地区内をくまなく捜した。
捜索現場付近にある慰霊碑には、朝から親族や知人を失った同町の住民らが相次ぎ訪れ、犠牲者の冥福を祈った。
いわき市に避難中の漆原トシ子さん(67)は知人が行方不明といい「早く見つかってほしい。本当に悔しい」と手を合わせながら涙を流した。
福島県内の行方不明者は202人。このうち、原発事故で震災直後の捜索が進まなかった浪江町は2割弱にあたる約30人が不明になっている。