北陸新幹線が14日に開業し、終日多くの利用客を乗せ、東京―金沢間で順調に運行を続けた。「かがやき」「はくたか」は指定席が満席になる便も。延伸した長野―金沢間の各駅は乗降客でにぎわいを見せ、歓迎イベントも相次いだ。
金沢発の一番列車「かがやき」の乗客を、着物姿で出迎える女性=14日午前
JR富山駅の新幹線改札前にはステージが設けられ、県内自治体が獅子舞などの伝統芸能を披露。駅内の土産店では海の幸を使った弁当が飛ぶように売れた。
新幹線に乗ってきた宮城県涌谷町の男性会社員(44)は、2人の子を連れて富山県内の実家に帰省。「これから行き来がしやすくなり、ありがたい」とうれしそうだった。
金沢駅のコンコースは開業を祝う市民や鉄道ファンらでごった返し「過去に見たことがない混雑」(石川県の谷本正憲知事)。新幹線改札前には色鮮やかな振り袖姿の女性が並び、にこやかな表情で乗降客の見送りと出迎えを続けた。
JR西日本の真鍋精志社長は金沢駅で「開業前から地元の盛り上がりを感じていた。期待に応えたい」と話した。
結婚式のため、開業した金沢からの北陸新幹線「はくたか」でJR軽井沢駅に着いた夫婦=14日
沿線のJR軽井沢駅(長野県軽井沢町)では「はくたか」に乗って金沢市から来た夫婦の公開結婚式が開かれた。通行人も見守る中、藤巻進軽井沢町長らが立会人となって式を挙げた。新婦(28)は「新幹線は景色も乗り心地も良く、楽しかった」と笑顔で話した。
JR東日本とJR西日本によると「かがやき」「はくたか」の指定席は午前中はほぼ満席で、午後には満席となる便もあった。JR東日本の冨田哲郎社長は3日の記者会見で「東北新幹線の区間開業などこれまでの例と比較して、(予約は)非常に良い状況だ」と述べている。最上級車両の「グランクラス」の人気が高いという。