絶滅危惧種に指定されている大型の猛禽(もうきん)類イヌワシの生息数が大幅に減少、500羽程度となっていることが分かった。調査した日本イヌワシ研究会(事務局・東京)が18日までに明らかにした。過去33年でつがいの数は3分の2となり、繁殖成功率も下がっている。
1986年以降、生息数は減り続けており、研究会の小沢俊樹会長は「餌不足で繁殖成功率が下がっているのが最大の問題だ。種の存続の危機に直面している」と警鐘を鳴らしている。
イヌワシは北海道から九州まで広く分布しているが、つがいごとに縄張りを持ち、その周辺で一生過ごす特徴がある。
このため研究会は、つがいごとに繁殖の成否や生息状況の変化を調査。その結果、2013年までに99組が死ぬなどして生息地からいなくなった。推定生息つがい数は241組(482羽)で、九州は1組、四国では確認できなかった。
81年の調査開始時には約340組がいたとみられ、3分の1が消えたことになる。
巣立つひなの数も減っている。繁殖成功率は80年代初めまで50%台と安定していたが、91年からは20~30%で推移。13年は20.2%で、調査開始以降5番目に低かった。〔共同〕