「これが民主主義だ」と叫びながらホワイトハウス近くを行進する抗議デモ参加者ら=21日、ランハム裕子撮影
トランプ米大統領の就任から一夜明けた21日、トランプ氏に対する抗議デモが首都ワシントンや世界各都市で行われた。主催団体は世界約80カ国の670カ所で、約480万人(日本時間23日午前1時現在)が参加したと主張している。トランプ氏はメキシコとカナダの首脳と電話会談を行ったほか、27日に世界の首脳に先駆けて英国のメイ首相と初会談することも発表した。
ワシントンでは、トランプ氏の女性蔑視的な発言を批判する団体「ワシントン女性大行進」が主催。ピンクのニット帽をかぶるなどした参加者が連邦議会議事堂の近くに集合。歌手マドンナさんが「革命はここから始まる」と演説した後、「女性の権利は人類の権利」「民主主義を守れ」などと叫びながら、2キロほど離れたホワイトハウス近くの広場まで練り歩いた。参加者の一部が予定されたコースを外れ、ホワイトハウスを取り囲むように行進。「トランプは出ていけ」とシュプレヒコールを上げた。警官が駆けつけ制止し、騒然となった。
主催側によると、ワシントンには想定を大幅に上回る約50万人が集結。1963年にキング牧師が人種差別に反対した「ワシントン大行進」の約20万人を上回った。全米ではニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどで、世界でもロンドンやパリなどで関連の抗議デモがあった。
一方、ホワイトハウスのスパイサー報道官は21日、トランプ氏が、カナダのトルドー首相とメキシコのペニャニエト大統領とそれぞれ電話会談したと発表した。ペニャニエト大統領とは31日にも会い、就任日に打ち出した北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉などについて話し合う見通しだ。また、27日にはワシントンを訪れる英国のメイ首相と、外国の首脳としては初めてとなる会談を行うことも明らかにした。(ワシントン=峯村健司、五十嵐大介)