安倍晋三首相は19日午前、首相官邸で記者団の質問に答え、チュニジアでの観光客襲撃事件で日本人が犠牲になったことについて「心からお悔やみを申し上げ、ご冥福をお祈りしたい」と述べた。そのうえで「いずれの理由があったとしてもテロは断じて許されない。強く非難する。国際社会と連携を深めながらテロとの戦いに全力を尽くす」と強調した。
政府は19日午前、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。日本人がテロに巻き込まれた場合などに対応にあたる警察庁の「国際テロリズム緊急展開班(TRT―2)」を現地に派遣することを決めた。警察庁は国際テロリズム対策課長をトップとする連絡室を約40人で設置した。
実行犯の一部が逃走しており、外務省はチュニジアへの渡航者や滞在者に注意喚起する渡航情報を出した。不要な外出を控え、テロの標的になりやすい公共交通機関や観光施設などに近づかないよう求めている。
下村博文文部科学相は19日午前の参院予算委員会で、チュニスの日本人補習校に生徒15人が在籍していると指摘。「日本人学校の児童生徒、派遣教員の安心安全な環境の確保に万全を尽くしていきたい」と語り、日本人学校の警備を強化する考えを示した。