政府は20日の閣議で、地方分権改革を進めるため19本の法律をまとめて改正する一括法案を決定した。4ヘクタールを超える大規模な農地を商業施設などに転用する際の許可権限を、国から都道府県に移すことが柱だ。今国会での成立をめざす。
農地転用権限の移譲は、自治体が長年求めていた。いまは4ヘクタールを超える農地の転用は国が許可権を握っているが、法改正後は国との協議のうえ、都道府県が許可できるようになる。2ヘクタール超4ヘクタール以下はもともと都道府県の判断だったが、国との協議をなくして規制を緩和する。2ヘクタール以下は都道府県の裁量にすでに委ねている。国の指定を受けた一部の市町村にも都道府県と同じ権限を与える。
国から都道府県への権限移譲では、在宅のがん患者の痛みを和らげる「緩和ケア」体制を充実させるため、医療用麻薬を薬局間で譲渡する際の許可権限の移譲を盛り込んだ。中小企業の経営者が後継者に株式を譲った際、相続税や贈与税を猶予する制度を適用できるかどうかを判断する事務も都道府県に移す。