フランス南東部に墜落した旅客機の搭乗者名簿に名前があったドイツのデュッセルドルフ在住の永田敏さん=60代=が鳥取県琴浦町出身とみられることが25日、同町に住む親族の男性への取材で分かった。
25日未明に外務省から「搭乗者名簿に永田さんの名前が載っている」と連絡があったという。男性は「(安否については)何も分からない」と言葉少なに語った。
中学時代の同級生の男性(66)によると、永田さんは年に1度はドイツから帰国。たびたび同窓会にも顔を出し、来月も地元で一緒に食事をする予定だったという。男性は「穏やかで笑顔を絶やさない性格だった。信じたくない」と話した。
同級生らによると、永田さんは中学を卒業後、国立米子工業高等専門学校に進学した。別の男性(66)は「同窓会でも海外で活躍しているとよく話題になっていた。何かの間違いであってくれたら」と願った。
一方、搭乗者名簿に名前があった機械商社「西華産業」社員の佐藤淳一さん(42)の父親、幸男さん(68)が25日、北海道江差町の自宅前で取材に応じ「仕事ができて、温厚で、立派に育ってくれた息子。本当に残念です」と涙を浮かべた。
同日午前、佐藤さんの妻から連絡を受け、墜落現場のテレビ映像を見た幸男さんは「これは厳しい」と覚悟したという。佐藤さんは今月上旬に帰省したばかり。昨年8月には妻のトシさん(当時67)を亡くした幸男さんは「『来年で日本に帰れる』と喜んでいたのに……」とうつむいた。〔共同〕