【パリ=竹内康雄】ドイツの格安航空会社(LCC)ジャーマンウイングスの旅客機(乗客乗員150人)墜落事故で、フランス当局は25日、墜落現場から回収したボイスレコーダーから音声データを取り出したことを明らかにした。旅客機は墜落前に爆発せず、地面に衝突したとの見方を示した。一方、墜落現場ではヘリコプターを使った遺体の搬送作業が始まった。
25日、フランス南部の遺体安置所で航空機事故の犠牲者を悼む(左から)オランド氏、メルケル氏、ラホイ氏=ロイター
仏航空事故調査局(BEA)のジュティ長官は記者会見で、データの分析にこれから着手するとして、「事故原因を特定するのは時期尚早だ」と述べた。ただ仏政府は、現場の状況などからテロではなく事故との見方を強めている。
オランド仏大統領は25日、事故現場近くで記者会見し、ボイスレコーダーとは別に、墜落機の飛行情報を記録したフライトレコーダーの容器を発見したものの、本体はまだ見つかっていないと明らかにした。大統領は「何が起きたのかを突き止めることは、家族に対する責務だ」と原因究明に全力を挙げる考えを示した。
独ジャーマンウイングスのエアバスA320は、24日午前にスペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向かう途中、仏南東部に墜落した。ジャーマン社などによると、乗員乗客の国籍は18カ国。ドイツやスペイン国籍が多く、英国やベルギー、アルゼンチン、米国、日本が含まれている。日本の外務省は搭乗者名簿に2人の日本人の名前があったと発表している。