大塚家具の定時株主総会が27日午前、都内で始まった。大塚久美子社長率いる会社側は、社長続投を含む取締役10人の選任など4つの議案を出している。一方、社長の父親である大塚勝久会長側は社長の退任要求を含む2つの議案を示す。取締役選任では議決権の過半数を得る必要があり、態度を表明していない金融機関や個人株主の動向がカギを握る。今回の株主総会で父娘間の経営権を巡る委任状争いの行方が決着する。
大塚家具の株主総会に向かう株主ら(27日午前、東京都江東区)
社長側は米投資ファンドや機関投資家を軸に票を固め、会長側は取引先や個人株主の取り込みに力を入れてきた。両者とも約2割の支持を固めるなど接戦となっている。株主は事前郵送による議決権行使のほか、総会に出席して質疑応答の内容を踏まえて判断することもできる。27日の株主総会の出席者数は非公開としている。
久美子氏は09年から社長を務めていたが、業績低迷を理由に14年7月に解任され、勝久氏が社長を兼務した。だが、大塚家具は同年12月期の単独営業損益が4年ぶりの赤字に転落。今年1月に久美子氏が再び社長に復帰するなど事業体制が安定せず、経営権を巡るお家騒動は委任状争いに発展していた。
両社長は接客手法で対立している。久美子社長は気軽に入りやすい店作りを掲げる一方、勝久会長は来店時に氏名や住所を記入する「会員制」を重視する。増配案を巡っては、社長側が15年12月期から3年間は前期比倍増の80円にする方針を提示。会長側は同じく3倍の120円という対抗案を示す。〔日経QUICKニュース(NQN)〕