取締役選任議案の決議結果
石油元売り大手の出光興産の株主総会で、月岡隆社長の再任案がわずかの差で可決されていたことがわかった。出光は、昭和シェル石油と来年4月に合併する方針だが、大株主の創業家側が反対を表明。月岡社長ら経営陣に「不信任」の意思を示したかたちだ。
出光興産の創業家、昭和シェルとの合併「反対」
出光によると、28日の株主総会では、会社側が経営陣10人の再任を求める議案を出し、いずれも賛成多数で可決された。ただ、月岡社長への賛成は過半数をわずかに上回る52・3%。創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士が、反対票を投じたことを認めた。
浜田氏によると、創業家は資産管理会社の日章興産や、出光文化福祉財団と出光美術館の二つの公益財団などを通じて、議決権の33・92%を持つとする。出光が合併の承認を求めて開く年末の臨時株主総会でも反対する方針だ。承認には出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要で、創業家の反対で否決できる。
浜田氏は「財団は出光株の配当で運営しており、合併で企業価値が下がると困る。議決権の行使は当然だ」と説明している。