【モスクワ=共同】中央アジアのウズベキスタンで29日、大統領選が実施された。ソ連崩壊前から25年以上の独裁体制を敷く現職イスラム・カリモフ氏(77)に有力な対抗馬はおらず、連続4選は確実だ。次から5年となる任期を全うすれば、計30年にわたる長期政権となる。
憲法は連続2選までしか認めていないが、カリモフ政権はこれまで大統領任期に関し数回憲法を改正し、そのたびに以前の当選回数は無効になったと独自の解釈を適用してきた。今回も選挙監視を担う欧州安保協力機構(OSCE)に同様の説明をした。
カリモフ氏以外に候補者は3人いるが、OSCEによると、いずれもカリモフ氏を「最良の候補」と支持している。国外に逃れた反体制勢力はインターネットに仮想の大統領選のサイトを開設してカリモフ政権への反対姿勢を示すものの、影響力は小さい。
高齢のカリモフ氏には健康不安説もささやかれる。後継問題で混乱が起きれば、これまで徹底的に弾圧してきたイスラム過激派勢力が隣国アフガニスタンの過激派と連携して勢いを巻き返す可能性がある。その場合、中央アジアやロシア、中国を含めた地域全体に不安が波及する懸念もある。
日本は資源が豊富なウズベクとの関係強化を図っており、2014年度は1千億円近い政府開発援助(ODA)を拠出した。