【アブジャ=共同】アフリカ最多の人口と最大の経済規模を誇るナイジェリアで28日に行われた大統領選挙で、イスラム過激派ボコ・ハラムとみられる武装集団が北東部の投票所3カ所を襲撃し、住民ら計14人が死亡した。ロイター通信が伝えた。死者は当初、6人と報じられていた。
ボコ・ハラムが選挙の妨害を予告していたことから、厳戒下の投票となっていた。フランス公共ラジオによると、投票前日の27日も武装集団が北東部の村を襲撃し、住民23人を殺害した。
一方、選挙管理委員会は28日、選挙の一部投票所で身元確認用の機械に不具合が生じたとして、該当する投票所で投票を2日間に延長すると発表。29日も投票が行われた。
AP通信によると、全体の投票終了を待たずに各地で28日夜、開票作業も始まった。
不具合が生じたのは、指紋で本人確認をする機械で、今回初めて導入された。地元メディアによると、再選を目指す現職ジョナサン氏が南部バイエルサ州の投票所で投票する際にも本人確認がうまくできなかった。
産油国のナイジェリアでは、キリスト教徒の多い南部は石油収入で比較的潤っているのに対し、イスラム教徒の多い北部は開発から取り残され、貧しい地域が多い。選挙は南部出身のジョナサン氏と、北部出身のブハリ元最高軍事評議会議長の事実上の一騎打ち。