「海よりもまだ深く」の上映後、観客の拍手に応える(左から)樹木希林さん、是枝裕和監督、阿部寛さん、真木よう子さん=カンヌ、石飛徳樹撮影
第69回カンヌ国際映画祭は18日、ある視点部門に参加している日本作品「海よりもまだ深く」と、スタジオジブリが参加する「レッドタートル ある島の物語」が相次いで上映された。ある視点は、世界から革新的な作品を集めた部門だ。
「海よりもまだ深く」は是枝裕和監督が自分の育った古い団地を舞台に描いたコメディータッチのホームドラマ。公式上映には是枝監督のほか、主演の阿部寛さん、樹木希林さん、真木よう子さんが出席した。
「そして父になる」(2013年)、「海街diary」(15年)に続いて3本連続のカンヌ出品となった是枝監督は上映後、「お客さんの表情が温かく優しく愛に包まれていて感動しました」と喜びを語った。満員の客席から随所で笑いが起こっていたことについて「登場人物たちを身近に感じてくれているんだなと思います」。
真木さんは「そして父になる」に次いで2度目のカンヌになる。「一番好きな作品を温かく評価していただいて、とてもうれしい」
樹木さんは河瀬直美監督の「あん」に続く2年連続のカンヌ。「去年帰国した後、ちゃんと芝居をしなければと思いました。カンヌは、ちゃんとやれば、ちゃんと見てくれる場所。役者人生を考えるきっかけになりました」
阿部さんは「他の映画祭とは大きさが違う。是枝さんの映画に出たら、カンヌに連れていってもらえないかなと思っていたので、とてもうれしい。この経験を糧にしていきたい」。