政府は31日の閣議で、4月13日に期限を迎える日本独自の対北朝鮮制裁措置の2年間延長を決めた。北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査結果の報告が遅れていることや、3月2日に国連安全保障理事会に違反して弾道ミサイルを発射したことなどを踏まえた。
延長する制裁措置は(1)北朝鮮との輸出入の全面禁止(2)人道物資の輸送以外の北朝鮮籍船舶の入港禁止(3)航空チャーター便の乗り入れ禁止――の3つ。菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で「全ての拉致被害者の帰国に向け、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力で取り組む」と述べた。
昨年7月に北朝鮮が再調査を始めた見返りに、朝鮮総連幹部が日朝間を行き来したり、北朝鮮に船で医薬品など人道物資を運べたりできるよう一部制裁を緩和した。制裁措置の延長後も緩和は続ける。
北朝鮮が初回報告を見送っていることで、日本政府内には制裁を強化をすべきだとの声もある。菅長官は「拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた北朝鮮の具体的行動の有無を踏まえ、不断に見直しを行う」と指摘した。