日本経済新聞デジタルメディアが4月3日に算出した2015年2月の日経景気インデックス(日経BI、速報値)は前月から1.2ポイント下落し103.9(2010年平均=100)となった。悪化は3カ月ぶり。同時に公表した15年1月の確報値は、速報値と変わらず105.1だった。
景気の水準と勢いを示す日経BIは、鉱工業生産、所定外労働時間、有効求人倍率、商業販売額の4指標に共通する「景気の波」を取り出して指数化している。
■2月は3指標が悪化
2月は日経BIの構成4指標のうち3指標が悪化した。鉱工業生産は前月比3.4%減と3カ月ぶりに低下した。汎用・生産用・業務用機械や輸送用機械など、15業種中12業種で生産指数が低下した。製造工業生産予測調査によると3月は前月比2.0%の低下だが、4月は同3.6%上昇を予測している。経済産業省は基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」で据え置いている。
需要動向を示す商業販売額は前月比2.2%減と、3カ月ぶりに悪化した。卸売業では衣服・身の回り品などは増加したが、機械器具や医薬品・化粧品が不振で前月比3.2%減だった。小売業は春節で訪日外国人が増加した影響もあり、百貨店など各種商品や織物・衣服・身の回り品が伸びたが、自動車などが悪化し同0.7%増にとどまった。
サラリーマンの所得変動を示す所定外労働時間(規模30人以上)は、前月比0.6%減だった。所定外労働時間は建設業などで増加したが、製造業や卸売・小売業などでは減少した。
公共職業安定所(ハローワーク)での求職者1人あたりの求人件数を示す有効求人倍率は、前月から0.01ポイント上昇し1.15倍だった。有効求人数は前月比1.4%増、有効求職者数は同0.9%増だった。
(日本経済新聞デジタルメディア 堀口亜希子)