東南アジアの島国、東ティモールに1月、中古のポンプ車3台が陸揚げされた。滋賀県湖南広域消防局などからの譲渡で実現した。日本から同国への初めての寄贈で、消防局は2人を派遣して技術指導もした。
東ティモールは2002年にインドネシアの占領から独立した人口約118万人の小国。12年に首都ディリで同国初の高層ビル建設が始まるなど都市化の兆しを見せる一方で、消防インフラの整備が課題となっている。
日本の外務省によると、約30万人が暮らすディリ県全域を一つの消防署が管轄し、3台のポンプ車で切り盛りする。東ティモール政府は今年中に消防署を二つ増やす予定だが、消防車の資金調達が難航していた。
日本東ティモール協会(東京)顧問の宇野治さん(67)=滋賀県守山市=が、県内の消防署や自治体に協力を要請し、更新時期を過ぎた車6台を調達した。残る3台は5月までに届ける。輸送費などは政府開発援助(ODA)を活用した。宇野さんは「日本との交流が深まるきっかけになればいい。今後もいろいろな形で貢献していけたら」と話している。〔共同〕