【ジャカルタ=共同】東ティモールのルアク大統領は10日、辞職するグスマン首相(68)の後任として、保健相、副首相を務めたルイ・デアラウジョ氏(50)を任命する方針を明らかにした。13日にも正式に任命し、新内閣が発足する見通し。
東ティモールは2002年の独立後、元兵士らの暴動などで政情不安が高まった時期があったが、近年は比較的安定。新政権への権力移行が円滑に進むか注目される。
デアラウジョ氏はインドネシアの大学で医学を学んだ医師で、1990年代、ディリの病院に勤務。東ティモール独立後に初代保健相に就任し、06~07年に副首相を務めた。
大統領府によると、ルアク氏は10日、与野党と協議を行い、デアラウジョ氏を次期首相に推す最大与党、東ティモール再建国民会議(CNRT)の提案を受け入れた。
CNRTを率いるグスマン氏はインドネシアからの独立ゲリラ闘争の英雄で大統領、首相を歴任。本人は高齢を理由に政権トップの世代交代を訴え、今月ルアク氏に辞表を提出し、受理された。ただ、新首相を支える閣僚として内閣に残るとの観測が出ている。
東ティモールは目立った産業がなく、人口113万人の半数近くを貧困層が占め、新産業育成も課題だ。