大阪に春の訪れを告げる「桜の通り抜け」の一般公開が9日、大阪市北区の独立行政法人造幣局で始まった。肌寒いながらも時折日が差す中、薄いピンクや白で彩られた約560メートルの桜のトンネルに、訪れた観光客らは「きれい」と歓声を上げていた。
大阪の春の風物詩、造幣局の「桜の通り抜け」を楽しむ人たち(9日)
桜は昨年よりも1品種多い132品種、350本。品種によって開花状況が異なるが、全体では五分咲き。造幣局広報室によると今週末ごろに見ごろを迎えるという。
造幣局には午前10時の開門時間の前から2800人以上が行列をつくった。香川県高松市から訪れた無職の相馬邦子さん(63)は「これだけの種類の桜を一度に見たのは初めて。来たかいがあった」と感動した様子。夫婦で毎年訪れるという奈良県生駒市の無職、中村孝二さん(64)は「地元の桜の名所もまわったが、やっぱりここは格別」と笑顔で話した。
造幣局の桜は八重桜の品種が多く、恒例の「今年の花」には淡紅色の花弁を25枚ほどつけ、満開時には白みがかる「一葉(いちよう)」が選ばれた。