【ワシントン=小竹洋之】米財務省は9日、主要貿易相手国の為替政策や経済情勢を分析した半期為替報告書をまとめた。消費増税後の日本経済について「内需の弱さに懸念が残る」との判断を示した。量的金融緩和だけではデフレを克服できないリスクがあると指摘し、財政支出や構造改革も含めた景気の底上げに努めるよう求めた。
報告書は世界経済が米国のけん引力だけに依存すべきではないと強調し、日本や中国、ドイツなどに総合的な景気のてこ入れを要請した。日本に関しては「財政再建を急ぎすぎると、景気の回復が危うくなる」とも指摘し、次の消費増税も慎重に判断すべきだとの考えをにじませた。
中国の人民元については、変動幅拡大の努力を認めながらも「依然として著しく過小評価されたままだ」との不満を表明した。ただ、制裁の対象となる「為替操作国」への指定は見送った。
報告書は韓国のウォンにも触れ「当局の為替介入を減らす必要がある」と言明した。