インターネット検索大手のグーグルが提供する地図サービス「グーグルマップ」に事実無根の「口コミ」が掲載され、名誉を傷つけられたとして、関東地方の医療機関が米グーグルに削除を求め、千葉地裁松戸支部が訴えを認める仮処分決定を出したことが、関係者への取材で14日までに分かった。決定は7日付。
グーグル側は異議申し立てをする方針。
グーグルマップでは企業や店舗、公共施設などの名前を入力すると、地図上に場所が表示されるほか、利用者らが評価などを書き込んだ口コミも見ることができる。
医療機関側の代理人弁護士によると「名前を検索すると、うその内容で医療機関を中傷する口コミが表示される」と訴えていた。グーグル側は「不適切なものは自主的に削除している。安易に書き込みを削除すればサービスが成立しない」などと主張したが、決定は2件の口コミを削除するよう命じた。
医療機関側の弁護士は「事実に反する書き込みで医療機関の名誉を傷つけており、当然の決定だ」と評価。グーグル側は、書かれた側が口コミ内容を否定できる機能も備えているとした上で「ネット上の書き込みは、ポジティブなものもネガティブなものもユーザーが直接意見を共有できる重要な手段と考える」とコメントした。
グーグルの検索結果をめぐっては昨年10月、日本人男性が「自分の名前で検索すると犯罪行為をしたかのように連想させる情報が出てくる」と訴え、東京地裁が一部削除を命じる仮処分決定を出した。〔共同〕