昨年11月に開設された「神戸国際フロンティアメディカルセンター」(神戸市中央区)で、3月末までに生体肝移植手術を受けた患者7人のうち4人が手術後1カ月以内に死亡していたことが14日、同センターへの取材でわかった。肝臓移植医らでつくる日本肝移植研究会が調査を始めた。
同センターによると、昨年12月から今年3月までに国内外の計7人に親族からの生体肝移植を実施し、うちインドネシア人2人、日本人2人が手術後に肝臓や腎臓の状態悪化などで死亡した。うち2人は15歳未満だった。
生体肝移植は患者の肝臓に臓器提供者の肝臓の一部を移植する。同センターの担当者は「余命が限られるなど厳しい状態の患者を受け入れ、リスクは事前に患者らにも説明した」とした上で、「手術ミスなどは無かったと考えており、研究会の調査に協力する」と話している。
同センターは神戸市が進める「医療産業都市構想」の一環として設立。京都大学名誉教授で生体肝移植手術を2000例ほど手掛けた田中紘一氏が院長を務め、手術目的で来日した外国人を積極的に受け入れている。