参院本会議で、働き方改革関連法案の趣旨説明をするため席を立つ加藤勝信厚労相(手前右)。手前左は安倍晋三首相=2018年6月4日午前10時6分、岩下毅撮影
働き方改革関連法案が4日午前、参院本会議で審議入りした。立憲民主党や国民民主党などの野党は衆院に引き続き、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)を法案から削除するよう求めていく。与党は今の会期末の20日までの成立を目指しており、国会終盤の攻防が激しくなりそうだ。
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加藤勝信厚生労働相が法案の趣旨を説明した後、与野党の6会派が質疑。答弁に立った安倍晋三首相は、「誰もが活躍できる1億総活躍社会を実現するための最大のチャレンジだ」などと法案の意義を強調した上で、「我が国の画一的な働き方と生産性向上の低迷を是正していく」と述べた。
国民の小林正夫氏は、高プロを「労働者の保護を究極に緩めてしまうものだ」と批判し、働き手の長時間労働を許す抜け穴が多くあると改めて指摘した。
法案は労働基準法など8本の法律の改正案を束ねている。労働時間規制の緩和策となる高プロのほか、残業時間の罰則つき上限規制といった規制強化策も盛り込まれている。正社員と非正社員の不合理な待遇差の解消を目指す「同一労働同一賃金」の実現に向けた法整備も柱だ。(松浦祐子)