「中国のバレンタインデー」とも呼ばれる旧暦七夕。その七夕に当たる今月25日、一緒に過ごす恋人のいない多くの若者らがオンラインショップ・淘宝で寂しさを紛らわせる方法を探しているうちに、いつの間にか「七夕ガエル」の人気に火が着いた。その理由は、カエルの鳴き声と孤独を意味する中国語の「孤寡(グーグア)」の発音が似ているから。淘宝で「カエル」を注文すると、ショップのスタッフが「カエル」を注文者のSNS上の友達に追加。その後はこの「カエル」がずっとチャットで「グーグア、グーグア、グーグア、グーグア」と「鳴き」続けるというものだ。「くだらない」と思う人もいるかもしれない。だが、旧暦七夕前日の24日には、36万人がこの「七夕ガエル」を検索した。銭江晩報が報じた。
大ヒットとなった「七夕ガエル」に対抗するかのように、「孤独ではない」を意味する中国語「不孤(ブーグー)」と発音が似ている鳥のカッコウ(中国語で「布谷鳥」)が注目され、淘宝に「七夕カッコウ」が登場した。せつない「孤寡(グーグア)」ではなく、「不孤(ブーグー)」、つまり「孤独じゃないよ!」という言葉で若者たちを慰めるアイデアだ。
淘宝で買える最も「高価」な七夕プレゼントは「復縁」
淘宝には、家族や恋人と繋がり、決済の時に支払ってもらったり、逆に支払ってあげたりできる機能を備えたアカウント「親情アカウント」がある。淘宝が25日に発表したデータによると、恋人と設定していた「親情アカウント」を解除したカップルはここ1年で260万組に達した。一方、旧暦七夕前の一週間に、恋人とよりを戻すために100万人が淘宝上で復縁のサポートを求め、それに関連する商品の販売数の伸びが3倍を上回った。
淘宝には、恋人とよりを戻すための相談系商品が数多く並んでいる。販売数が最も多いショップを見ると、1ヶ月の販売数が2000件以上になっており、レビューを見ても高評価一色となっている。安徽省の雷賓さん(男性)は、「復縁サポートのプロ」と称されており、ここ1年の間にカップル300組がよりを戻すようサポートしてきた。今年の旧暦七夕前にも、雷さんのショップには注文が殺到し、約80組のカップルが復縁のサポートを求めた。
雷さんが提供するサービスに類似した商品を見ると、淘宝には、なかなか言い出せない「告白」のセリフを考え、ショートメッセージを送るためのサポートをしてくれるショップもある。データによると、旧暦七夕の前夜、20万人が淘宝で「告白の方法」を検索した。
もちろん、一度別れてしまうとよりを戻すことができないカップルもたくさんいる。そのことは、昨年、淘宝でカップル260万組が「親情アカウント」を解除したのに対して、よりを戻すためのサポートを求めたカップルが100万組にとどまったことからも分かる。また淘宝には、恋人たちにちょっと変わった用途で活用されている商品もある。例えば、プレゼントを買い忘れた彼氏に送る洗濯板。その上に座らせてお仕置きをするために使うという。その商品のレビューを見ると、多くの女性が画像付きで、「彼氏に使わせた。とてもいい商品」というコメントを寄せている。
このように、淘宝にはいつの間にか「恋愛」産業の分野が出来つつある。若者たちは恋人にプレゼントを買う時、恋人への「怒り」を発散する時、さらには恋人をめぐる悩みがある時など、どんなシチュエーションでも淘宝でピッタリの商品を見つけることができるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月26日