【ワシントン=吉野直也】米上院外交委員会は14日、イラン核問題を巡る同国と米欧など6カ国の交渉が最終合意した場合、米政府が対イラン制裁を解除する前に議会承認を義務付ける法案を全会一致で可決した。米メディアは上下両院本会議で可決後、オバマ大統領が署名すると報じた。
アーネスト大統領報道官は14日の記者会見で、議会承認法案への対応について「妥協できると判断すれば、オバマ氏は法案に署名するだろう」と述べた。これまでオバマ氏の拒否権行使を明言していたが、同意もあり得るとの考えを示したものだ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「オバマ氏は署名するだろう」と伝えた。
イラン核協議は今月初め、枠組み合意に達した。上下両院で多数を持つ野党・共和党は議会の関与を明確にするため、議会承認法案の採決を宣言していた。
上院外交委は当初、最終合意について議会が審査する期間を60日間としていたが、その期間を30日間にして歩み寄りの姿勢を示した。法案によると、7月9日までに最終合意の内容が議会に送付されない場合は、審査期間を60日間に戻す規定を盛り込んだ。