大丸、松坂屋を展開するJ・フロントリテイリング(3086)とカタログ通販大手の千趣会(8165)は17日午後、都内で業務資本提携について共同記者会見を開いた。Jフロントの山本良一社長は、提携の意義を「それぞれの事業領域と顧客基盤は補完性が高い」と説明。Jフロントはマルチリテーラー(総合的な小売業)として事業の幅を広げていく戦略を掲げており、既存分野の拡大と新たな事業展開が可能になる提携の深化は「両社にとって最良の選択だと確信している」と述べた。
千趣会の田辺道夫社長は「(顧客と)リアルな接点を持つ店舗が必要」として、Jフロントから店舗運営や展開のノウハウを得てインターネットと実店舗を融合させるオムニチャネル化を進める考えを示した。田辺社長も両社の補完性を強調し「Jフロントとの提携は最良の選択と思っている」と期待を示した。
Jフロントは千趣会株を議決権ベースで22.65%取得し、同社を持ち分法適用会社にする。Jフロントの山本社長は、千趣会への役員派遣について「今後の千趣会との協議で検討していきたい」と述べるにとどめた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕