【上海=二瓶悟】トヨタ自動車の大西弘致専務役員(中国本部長)は21日、中国で販売する車両のうち、ハイブリッド車(HV)の比率を2020年に3割まで高める方針を示した。今秋に現地生産のHVを発表し、今後中型セダンなど幅広い車種を投入する計画。年内に合弁会社の独自ブランドの電気自動車(EV)も発売するなどエコカーの品ぞろえを広げる。
トヨタは05年に「プリウス」の販売を始め、10年に「カムリ」のHVを投入したが、高い製造コストなどがネックとなり05年からの累計販売台数は9万台にとどまる。
中国はメーカーが販売した車全体の平均燃費に基準を設けるなど、段階的に燃費規制を強化している。トヨタは収益性は高いが燃費性能の低い多目的スポーツ車(SUV)を販売していくため、低燃費車の比率を高める。
大西専務は中国市場の「販売は減速しているが、年間200万台の目標の旗は降ろさない」と述べ、中期的な成長を目指す考えを示した。「中国の研究開発拠点で現地デザインの車種を増やす」計画だ。また天津市で新工場を建設する考えについて「具体的に決まっていないが、中期的な成長に向けた議論をしている」と語った。