準決勝進出を決め、タッチを交わして喜ぶ日本の選手たち=諫山卓弥撮影
(15日、WBC2次リーグE組 イスラエル3―8日本)
2017WBC特集
正直、ここまでの日本の快進撃は予想できなかった。過去の代表チームと比べて「最も弱いのでは」と思われたチームが、史上初めて1、2次リーグを6戦全勝で突破し、米国での準決勝への切符をつかんだ。
大リーグ投手を招集できず、大谷(日)や嶋(楽)もけがで欠いたメンバーは、大会までの強化試合など5試合を2勝3敗。一部選手から「勝てるのか。大丈夫か」と不安の声が上がるほど雰囲気は悪かった。
空気を変えたのが、3月上旬に合流した大リーガー・青木。ここまでの打率2割ちょうどは、主力選手で最低だ。だが、中田も、筒香も言う。「青木さんの存在は大きい」。12日のオランダ戦。同点で五回の攻撃を控えた日本の円陣の中心には青木がいた。「1点を絶対に取ろう。俺たちはできる。信じよう」
第2回大会の世界一を知る青木は「リーダーってわけじゃないけど、俺は、みんなより少しだけ長く野球をやってきたからね」と笑う。チーム最年長、35歳の経験が躍進を支えている。(山口裕起)