【フランクフルト=加藤貴行】独機械・鉄鋼大手のティッセン・クルップは24日、2020年までに北米の自動車部品事業に総額8億ユーロ(約1030億円)以上を投資すると発表した。ドイツ自動車大手などの北米拠点拡充に対応する。ティッセンは昨年、米国の圧延工場を売却したばかり。北米は同社が進める鉄鋼から機械、エンジニアリングへの収益構造転換の象徴となる。
メキシコ南部プエブラで同日、ステアリング新工場を稼働したのにあわせ、北米の中期投資計画をまとめた。来年から稼働する独アウディの新工場には車軸を納入することが決まっており、他の部品も生産能力の増強を検討する。
また北米で燃費向上につながる技術など研究開発の機能を拡充し、北米での米ゼネラル・モーターズ(GM)や米フォード・モーター、トヨタ自動車などとの取引拡大も狙う。