【NQNニューヨーク=川内資子】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比72ドル17セント(0.4%)高の1万8110ドル14セントだった。製薬のメルクなど好材料が出た銘柄が買われ、ダウ平均を押し上げた。
四半期決算と同時に通期の利益見通しの引き上げを発表したメルクのほか、四半期配当の引き上げを発表したIBMが大きく上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を29日に控えて様子見ムードも強いなか、好材料銘柄がけん引する形でダウ平均は上昇した。
ただ、4月の消費者信頼感指数が市場予想に反して前月から低下すると、目先の利益を確定する目的の売りを誘いダウ平均は安くなる場面があった。ダウ平均の下げ幅は一時120ドルに達した。
一方、ナスダック総合株価指数は続落し、同4.824ポイント(0.1%)安の5055.422で終えた。前日夕に好決算を発表したアップルは利益確定売りに押されるなど時価総額の大きい銘柄の一角が下落し、指数の重荷となった。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「一般消費財・サービス」を除く9業種が上昇。「電気通信サービス」や「公益事業」などの上げが大きかった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億9000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約19億7000万株だった。
決算で1株利益が市場予想以上となった物流のUPSが上昇。減益決算を発表した自動車のフォード・モーターは悪材料出尽くし感から買われた。マイクロソフトや半導体のインテルも高い。
一方、決算で売上高が市場予想ほど伸びなかった短文投稿サービスのツイッターが急落。業績見通しの引き下げを発表した製薬のファイザーは下落。決算が市場予想を上回った携帯電話のTモバイルUSは買い先行後、利益確定売りに押された。